治療方針

「来たときより、元気になって、バイバイして帰ろうね!」
少しでも元気な子どもの笑顔を見たい、その思いは誰も同じです。

「元気になるまで目を離しません!」
そんな思いで毎日、子どもたちに接しています。
そのためには、診察と投薬だけでなく、「処置」は大切です!
少し待ち時間が長くなりますが、子どもさんのために一緒に頑張って下さい!

「お薬は体の負担にならないように、最小限にします。」
そのためには、診断に必要な「検査」は大切です!
結果の待ち時間がありますが、少し我慢してください!
念のための抗生剤が健康にマイナスになることもあるので、慎重に投薬しています!

検査について

当院では発熱の原因を調べるために色々な迅速検査をしています。
それらは病気を早く診断し適切な治療をするためにとても大切な情報となります。
抗生剤が必要な「溶連菌感染」やタミフルが効果ある「インフルエンザ」の早期確定診断、
「RS」「アデノ」「ロタ」「ノロ」「ヒトメタニューモウイルス」など抗生剤が効かない
流行性ウイルス感染症の診断には連日の検査もしています!
また「突発疹」「かぜ症候群」など迅速検査で原因が分からないウイルス性疾患も血液検査で炎症反応(白血球数、CRP)を確認し不必要な抗生剤を投薬しないようにしています。

※炎症反応:細菌感染とウイルス感染の鑑別ができます。
※時間外検査:帰宅後も高熱が続くなど状態が心配な方には、可能な限り夜間救急検査も しています。


【当院で行っている迅速検査と結果説明書】
・血液検査(炎症反応)・尿検査(一般、沈査)・便潜血
・溶連菌・インフルエンザ・RSウイルス・アデノウイルス
・ヒトメタニューモウイルス・便ロタウイルス・便ノロウイルス・便アデノウイルス
・マイコプラズマ・肺炎球菌(鼻腔、耳漏)

検査について

処置について

子どもは重い病気でないかぎり簡単な「処置」で比較的短時間で元気になります!
検査で明らかな異常がなくても、元気がなければ心配ですよね!
そんな時は、元気がなくなる原因(=苦痛)を和らげる「処置」が大切です。
当院では待ち時間の間に少しでも元気になって帰れるよう「処置」を沢山しています。

・子どもの苦痛の原因
(1位 腹痛 2位 頭痛 3位 耳痛 4位 脱水 5位 咳鼻症状 6位 発熱)
・点滴:脱水が改善するまで何時間もかかる時もあります。
・浣腸:腹痛や頭痛が消失します。(効果があるまで2〜3回することもあります。)
・吸入:呼吸困難を改善します。(効果あるまで2〜3回することもあります。)
・鼻吸引:呼吸が一時的に楽になります。

とにかく、お母さんに少しでも元気な子どもの笑顔を見て頂いて安心してもらいたい!
そんな思いで「処置」をしています。一緒に頑張ってあげて下さい!

※貸し出し「吸入器」「吸引器」もあります。

処置について

浣腸について

お母さんたちは「発熱や咳鼻症状」で元気がないと思って受診されますが、子どもの苦痛の原因の1位は「腹痛」です! 子どもは腹痛を明らかに訴えることが出来ないために下記のような様々な他の症状で現れます。

■頭が痛い(頭が重い)
■胸が痛い(お腹が張って圧迫感がある)
■喉が痛い(嘔気がする)
■歩けない(足がだるい) 等、

大人が自覚する症状 (括弧内) と違う表現で訴えるために診断が難しくなります。
これらの症状は消化管に軟便やガスが停滞しているからです。
更に悪くなると食欲が落ち水分摂取も不良となり「嘔吐」が起こって来ます!
当院ではこのような時は必ず「浣腸」をします!
排便により腹圧が減り嘘のように全身状態は回復します。
1回目で効果なければ2回目をすることもあります。
子どもが嫌がるので初めは抵抗があったお母さんも、一度経験されるとほとんどの方が納得されます。 便性状を観察することにより病気の早期診断にもなります。
本当に「浣腸」は一石二鳥の優れた治療のひとつです。

浣腸について

抗生剤について

お母さんが子どもの頃、熱がある場合は全例に抗生剤が処方されていました。
しかし抗生剤は「細菌」に効果がありますが「ウイルス」には全く効果がありません!
現在では様々な研究の結果「発熱児の90%がウイルス感染」と判っています。
つまり過去は「念のため」という曖昧な判断で不必要な抗生剤が処方されていました。
今では色々な検査によりかなり正確にウイルス感染の診断が出来るようになっています。

・抗生剤の過剰な投与は副作用で子どもの健康を害することがあります。
・将来的に抗生剤の効かない耐性菌の感染を起こす可能性を高めてしまいます!
・病気の悪化を心配して「念のため」早めの抗生剤は逆効果の場合が多いです!

きちんと検査をして抗生剤の適性使用をすることが、子どもの健康を真剣に考えていく上で大変重要なことです。
当院では「念のため」の抗生剤は処方しません!

抗生剤について

解熱剤について

お母さんが子どもの頃、熱がある時に解熱剤の処方は常識でした。
熱が高いと脳がやられると思われていました。現在それはもう完全に否定されています!
今のお母さんたちは「熱は病気と戦っている!」ことをよく知っておられます。
しかし昔の言い伝え的に「発熱」を怖がられます。
それは「発熱」に対して正しい理解が出来ていないからです。

・発熱は病気から自分の身体を守る防衛反応です。直接の危険性はありません。
・熱の高さが必ずしも病気の重さに比例するわけではありません。
・解熱剤は辛さを一時的に軽くするための薬です。病気を治す薬ではありません。
・「体温何度で使用すれば良いですか?」と問い合わせがありますが高熱でも元気があるなら使用しない方が良いです。

子どもの苦痛の原因は以下です。
(1位 腹痛 2位 頭痛 3位 耳痛 4位 脱水 5位 咳鼻症状 6位 発熱)

浣腸して水分を十分に与えて様子を診ることが、子どもにいちばん優しい治療です!

解熱剤について

かぜ薬について

近年「かぜ薬」は世界的には疑問視されつつあります。
特に米国では「副作用」の観点から2才未満の子どもには処方禁止の州もあるぐらいです!
(日本では同じ薬剤が1才未満の乳児にも普通に処方されています!)
人は動物なので個々の「自然治癒能力」を持っています。

・熱も咳も痰も鼻水も下痢も全て子どもが自分で治癒しようとしている表れです。
・それらの症状は全身状態が良好なら無理に止める必要はありません!
・夜間に咳をしていても良く眠れているなら様子をみてかまいません!
・鼻水が多くても良くミルクを飲んでいるなら問題ありません!
・受診して薬をもらうことは、症状が続く時や悪化傾向が認められてからでも遅くありません!

子どもの風邪はほぼ100%がウイルスです!
早めの「かぜ薬」の内服が症状の進行を防ぐわけではありません!
子どもの「自然治癒能力」を無視して「副作用」があるかもしれない「かぜ薬」に頼ることは、子どもに対して優しい治療ではありません!

※咳、鼻水の症状があるけど元気なので受診を迷った時には、遠慮なく電話で問い合わせをして下さい。相談担当のナースが応対いたします。
※アレルギー症状かな?などのご心配に関しては診察終了後、当院から折り返し電話をさせて頂いて少し時間をかけて相談に応じさせて頂きます。

かぜ薬について

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